鮎川哲也著 「朱の絶筆」

人気作家篠崎豪輔の絞殺体が自身の仕事部屋で発見された。そのとき彼の家に居合わせた人々が容疑者となる。困ったことにその誰もが殺人の動機を持ち、アリバイを持っていなかった。そして解決の糸口が見えてこないまま次の殺人事件が発生する。果たして篠崎らを殺したのは誰なのか。名探偵星影龍三の推理が光る。

同名の懸賞つき短編小説を元に構成された推理小説というだけあり、「問題」と「解答」がはっきり分けられています。じっくり読んだ結果、私は犯人にまではたどり着けましたが連続殺人の動機まではわかりませんでした。一文一文を大事に読んでいく姿勢をさらに心がけたいものです。この作品は雑誌連載から既に30年を経たものの、不思議と古さを感じさせません。トリックが古さを感じさせないからなのでしょうか。