高野和明著 「幽霊人命救助隊」

首吊り自殺した高岡裕一は、幽霊となって新宿に舞い戻った。他3人の幽霊と協力し、49日以内に100人の自殺志願者を救うという任務を背負って。

この作品では、生まれた時期や死んだ時期の離れた、すなわち違う時代を生きた4人の会話がかみ合わないシーンが随所に現れます。流行語、いわゆる死語がわかりやすい例ですが、彼らの死生観も見逃せません。著者は映画畑出身とのことですが、これらはその頃携わった映画に由来するものなのでしょうか。

4人が自殺志願者を救う方法は、幽霊がすることにしては現実的です。試す機会は訪れない方がいいのでしょうが、この本はある種の実用書なのかもしれませんね。